2009年 09月 28日
吉村順三氏の軽井沢の山荘にて |
8月の下旬、故吉村順三氏設計の『軽井沢の山荘』を見学してきました。
ずっと前から、図面や写真では穴が開くほど見ていた建築です。
しかもなんとご案内は吉村夫人とお嬢様。
期待に胸膨らませて現地に向かいました。
まずは外観の印象から。
とにかくプロポーションが美しいのです。
4間角の木造の上屋がセットバックしたコンクリートに載っている姿は威圧感が全くなく、
今にも宙に浮き上がりそうな印象。想像していたよりもコンパクトに見えます。
グレーになった杉板が周囲に溶けこんでいます。
次に室内へ。2階の居間に入り、恐る恐るファイヤープレイスの横のソファに腰掛けます。
眼の前に軽井沢のさわやかな木々が広がっているその空間は、広すぎず、狭すぎず、
とてもフィット感があります。
対角線で見る室内の距離感、それぞれの高さの取り方が心地よく、
無駄な空間が平面的にも立体的にも全くない、そんな印象です。
ダイニングスペースに行っても、ロフトにいっても、どこに居ても包まれるような安心感があり、
それでいて狭さを感じさせません。
46年を経た建築ですが、古さを感じさせない美しさがありますし、
少しずつ改修などをしながら、機能的にも今の生活にちゃんと対応できています。
それより何より、住まい手に愛されている建物であることがよくわかりました。
とてもいいお手本を見せていただきました。
by shu-arch63
| 2009-09-28 16:27
| 見学・視察